鶯台のホテル要塞に閉じ込められた話

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あ、やってしまった。山手線、また間違った方向に乗ってる。

こういう場合にパッと降りて目の前の電車に乗ることが、すごいいけないことであるのは知っている。

だから、せめて降りたことのない駅で降りよう。

次は鶯谷。鶯谷って降りたことないし面白そうじゃん!

鶯谷駅前はひなびていた。そうでないと降りた甲斐がない。――そうだ!孤独のグルメの街歩き用サントラ聴こう!

この時点まで私は完全に楽しい気持ちでいた。孤独のグルメ気取りでひなびた駅前を歩くまでは。

しかし、あれよあれよ、あれれれ・・・と思うまに、完全なるホテル街の真ん中に立っていた。

他の建物に比べてラブホテルが多いな・・・というレベルではない。右も左も前も後ろもラブホテル。抜け出そうとした路地の突き当たりもラブホテル。

ラブホテルの五叉路に嵌まり込んでいたのだ。でもイヤホンからは孤独のグルメのサントラ。

ちょっとセクシーなお姉さんたちが一人でホテルに入っていく。

お姉さんたちは私のことをすごい怪訝そうな目で見る。

「よそ者が挨拶なしに入ってきたよ!」みたいなトラブルって本当にあるのだろうか・・・と思ったが(ないよ)

私はズタ袋みたいな服にスニーカーでリュックのいでたちだったので、なんのトラブルにもならない。こんな私からなにか買おうとする人はいない。

このラブホテル要塞から抜け出す方法がわからずすごく困っているが、引き続きイヤホンからは孤独のグルメのサントラが流れている。ゴローが腹をすかせている。

やっとホテル街から抜け出したときには、私のなかで

「鶯谷は治安があんまりよくない・・・」

という評価になっていた。まだ街に出てないのに。

仕方がない。鶯谷は鶯がいそうな風流な谷と勝手に思っていた私がすべて悪いのだ。

実際に少し歩いてみると「世茂利奈」という名前からして「イイ」感じの喫茶店があったり、ライフといなげやが両方揃っていて便利そうだったり、慣れれば住むにはよさそうだった。

かわいそうな孤独のグルメのサントラがここでやっと本来の役目を果たしたので、これにて鶯谷の探検は終了である。

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