【つけびの村 高橋ユキ】はアウトレイジ陰湿版⁈「いいひと」の基準を揺さぶるうすら寒さ

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ノンフィクション
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「つけびの村」といえばあの村ですよ。

つけびして 煙り喜ぶ 田舎者 かつを」のあの村ですよ。

5人を連続殺害し、2軒の家に放火した「かつを」ことHが起こしたとされる【山口連続殺人放火事件】の舞台となった山口県周南市大字金峰のことです。

ちなみにwikiはこちら

山口連続殺人放火事件 - Wikipedia

(Wikipediaの凄惨事件解説って、読むと関連リンクに飛びまくって止まらなくなりますよね・・・)

先に言っておきますが、この記事は徹頭徹尾不謹慎なので「不謹慎だろう!!」というお叱りには

そうですね!!

としかお答えできません。

私は凄惨な事件にロマンを感じてしまうかわいそうな人間なのです。あしからず

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殺人で悪人ランキングに躍り出たかつを

あらかじめ述べておきますが、以下の感想は書籍の描写を元にしているのであって、それが実際に起こったかは度外視したものです。知るすべもないし。

「つけびの村」は、2013年に発生した「村八分いじめ事件」とも揶揄される「山口連続殺人放火事件」について、著者のノンフィクションライター高橋ユキ氏が実際になんども現場集落に足を運び、被害者遺族をはじめ集落住民にインタビューを重ね、真相を明らかにしていこうというルポルタージュです。

高橋ユキ氏はnoteで原稿を部分的に公開しているそうなので、気になった方は見てみるとよいと思う。

さて、本を読んで感じたのは、5人を惨殺してしかも放火まで行う極悪人かつを(あえてかつをといたします)は、この事件さえ起こさなければ集落悪人ランキングTOP5にも入るか微妙な男だということです。

それくらい、他に描写される「わるいやつ」が濃い・・・

事件当時の時点で住民わずか12人という限界集落なので、高橋ユキ氏はおそらく全員にインタビューできているのですが、

村人のうわさ情報を総合すると「清廉潔白なのにひどい目に遭ってるかわいそうな人」が1人もいないという、すがすがしいまでの陰湿っぷり。まさに某映画の「全 員 悪 人」という印象を受けるのです。

かつをに殺されるほどは恨まれなかった村人も「度を超えたうわさ話」は陰湿だ、という自覚がまったくなく、あくまで悪意が無意識であるあたり、アウトレイジよりうすら寒い 。

全員が全員のうわさ話をしているのに、自分へのうわさに恐怖も感じているというスパイラル。

著者も「私も〇〇で育ったからわかるけど」と田舎にうわさはあるものとしています。まぁ、この読書レビューも「うわさに含む」と言われれば、そうかもしれないけど一緒にされたくないけどそうかもしれない。

事件発覚のとき、ネット上でもそれはもういろいろなうわさが飛び交ったものです。「かつをは犬を殺された」「草刈機を燃やされた」「カレーに農薬を入れられた」など

最初は著者も「そのうわさは本当なのか」という切り口で調査を重ねていくのですが、話は「本当か嘘か」では片付けられない魔境へと入り込んでいくのでした・・・

うわさっていじめじゃないの?

ここからはちょっとネタバレ的になってしまうので、気にする人は読了後に読んでください。

高橋ユキ氏はご自身で得た情報を総合した結果

「うわさは確かにあったけどいじめはなかった」

という結論に達しているように見える。

でも本人に感知される類のうわさをみんなで続けるっていじめじゃない・・・?

全員が全員のうわさをしているという平等条件も確かにあるでしょう。

しかし、かつをは集落のなかでもとびきり浮いていて、しかも嫌われているのです。そのため、かつをに関するうわさはいわゆるホットトピックとして特別に扱われる・・・

やっぱり「みんなやられてるんだから」では片付けられない部分があると思うのです。

全員が全員のうわさをしているなか、殺人を犯すほど追い詰められたのはかつを1人 ・・・

私はこの本を読んで「かつをいじめられてかわいそう・・・」でも「全部妄想じゃん!」でもなく

「ヤベェやつをいじめちゃったな!」

と思ったのであります。

「村八分いじめ事件」というより「いじめる相手まちがえた事件」の方がふさわしい。

集落はかつをを「浮いている」として悪い方向に特別扱いしましたが、周辺の村から見ればこの集落そのものがわるい意味で浮いている、という描写、さもありなん ・・・

そして、集落の老人が頑なに「10年後まで絶対話さない!!」という「ことの真相」。「新聞にも出ないし、報道もされない、金峰全員に関わる大きな問題」を著者は聞き出せるのでしょうか!!

というところで本日、お開きです・・・

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