小説

小説・エッセイ

【ジグソーマン ゴード・ロロ】の読了後にもれるなんとも言えないため息

この本を読み終わったとき、ただただため息が出ました。面白かったとか傑作だというより、ただ「はぁー・・・」という反応。まず感想ではなくて反応が残る本でした。 なんだろう、本が進むほどにひどい状態になっていく主人公をもう見なくても済むため息とい...
太宰治

【太宰治】Twitterに太宰アカがあったらこんな感じ「葉」

散文集でなりたった一編「葉」です。太宰治全集文庫版なら、第一巻の第一編め、トップバッターとなります たぶん「走れメロス」で太宰治を知って文庫を買ってみた人なら、これを読むと「んっ?」となるはず なぜなら文庫19ページ分、目立ったストーリーは...
太宰治

【太宰治】「右大臣実朝」に見る太宰の生涯のテーマ「卑しさと高潔さ」

日本人作家、少なくとも明治の文豪の中で「卑しい人間」を描くことにおいて太宰の右に出る者はいないと思う 処女作「列車」の語り手の偽善ぶりには思わず眉をひそめさせられ、遺作「グッド・バイ」の主人公はもう遺作にふさわしくまぁ卑しい、吐き気を催すほ...
太宰治

【太宰治】酒飲みに終戦はないのです 「禁酒の心」

短い短いお話「禁酒の心」です。 太平洋戦争中、酒が配給制になり、酒場でも「酒を出す側」と「飲む側」の立場が逆転し始めた頃。酒飲みというものがいかにみっともないか、酒を飲むためにさらす浅ましさを、飲む側視点から描いています。 酒に重きを置かな...
太宰治

【太宰治】破滅を前に湧き起こる不思議な晴れがましさ 「新郎」

この作品の文末にはこのような付記があります。 昭和十六年十二月八日之を記せり。この朝、英米と戦端ひらくの報を聞けり。 この文を読むだけで、日本人であれば当時の動乱、破滅のにおいを感じ取ることができるのではないでしょうか。 しかし太宰が描くの...
太宰治

【太宰治】「列車」に見る善人の弱さ 愚かさ 恥ずかしさ

太宰治処女作品集「晩年」から「列車」です。 「列車」の書き出しは、上野発青森行きC51型蒸気機関車への恨み節から始まります。 来る日も来る日も人々を別れに引き裂く不吉な列車。103号というナンバリングさえ気に入らない。それは、この列車がらみ...
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