3日前くらいから、1年強飲んでいたストラテラをやめてみたら、良くも悪くもダイナミックに変化があったので書きとめてみる。あくまで個人的な体験談として読んでほしい。
(うっかり消してしまった記事、キャッシュが見つかりました!まだ探してくださる方がおられるようなので、ここは基本読書ブログなのですが同じURLで残しておきます 2017/3/16)
※ちなみにコンサータに関する記事はメインブログで↓
※言うまでもないことですが、薬の服用に関して試行錯誤する際は主治医と相談してください。
ストラテラを飲み始めた&やめた理由
そもそもこの、副作用たっぷりで先延ばし癖にはたいして効かない薬をどうして飲み始めたか。
当時の仕事が超!マルチタスクだったからである。
ADHDは一つの作業中に茶々を入れられるのを大変嫌う。自分はあっちこっちに注意を逸らすのに、外から逸らされるのは嫌なのだ。
当時私は小さな会社で総務と労務と経理と営業事務を兼任するハメになっていた。
帳簿付けの最中に営業から急ぎの指示電話が入り、それをこなしている最中に社労士から連絡が入る。労務の書類作成中に現場から機器の調達を急ぎで頼まれる……毎日毎日大変辛かった。
「とにかく辛さを鈍らせて仕事をこなせるようにしてほしい」 そう訴えて処方されたのがストラテラであった。
ソラナックスと合わせると効き目は抜群。なんだかぼーっとして感情がフラットで、こらえ性ができて嫌々ながらもロボットみたいに仕事をこなせるようになったのである。
しかしめでたく昨年末で退職し、フリーライターに転身すると話は違う。
アイディアと表現力、好奇心と行動力がなければ務まらない仕事だ。脳にビニールがかかったまま家で寝たきりの状態では何もできない。
世界は昔もっと鮮やかだった・・・・・・
これが、飲み始めとやめるまでの経緯である。
ストラテラをやめたメリット
やめる前とやめた後、なにが違うか。メリットと思える部分をあげてみる。
感性が戻ってきた
まず、脳にビニールがかかっているようなぼーっとした感じが消え去った。
服用中は晴れた空を見ても「今日は洗濯できそうだな」と思うだけだったのが、今は青さが感性に突き刺さってくる。
あの雲は鯨みたい、あの雲はサメみたい、とイメージが湧き上がり、ひとりでにちょっとしたショートストーリーが生まれるほどだ。
視力は変わっていないのに、花を見れば雄しべの一つ一つまで鮮やかに判別できる。 世界に色が戻ったようだ。
交遊力が戻ってきた
投薬中は暇さえあれば布団にこもってタブレットでネットをして過ごしたものだ。電話は無視した。
ゴールデンウィークも夏休みも、最低限の付き合い以外は横になって過ごした。 電気もテレビもつけなかった。タブレットが光っていればネットはできるから。
誰かと会っても1時間半くらいで帰りたくなっていた。
今は人と会うと話すのが楽しい。しばらく会っていない人と約束を取り付けて、会ったらなにをしようか計画を立てるまでになった。
一人の時も必ずカーテンは開けてタッセルで縛り、テレビをつけて部屋を楽しい雰囲気にして情報を入れるようにしている。
ごはんがおいしい
ストラテラは食欲を抑えることが多いと言われるが、個人的な経験からすると「食べ物が美味しくなくなる」のだと思う。
服用をやめると、食べ物の匂いに敏感になり、味わった時の「おいしい!」が増すようだ。
あれが食べたいな、これが食べたいな、と楽しみにすることが多くなった。
ストラテラをやめたデメリット
もちろん「障がい者」に戻るのだから、デメリットも多い。
部屋が散らかる
今、誇張ではなく家中の全ての食器が汚れたまま流しに突っ込んである。しょうがないので朝のワンタン麺は鍋から食べた。
服用中であれば部屋が散らかっているのは「だるくてやる気がでないから」だったが、やめた今はもっとタチが悪い。
「いつの間にかそうなってしまった」のである。
そろそろ食器がないのでどうにかするだろうが、ここまでいかないとどうにかしないのは困ったものだ。
食べ飲みが激しくなる
ストラテラを飲み始めてから、テレビを見つつだらだらつまみたっぷりの深酒をすることが少なくなった。あれは意外に体力がいる娯楽で、だるい体には辛いのだ。
酒を飲むとしても、刺身やイカの塩辛などで細々と飲んでいた。
しかしやめるとどうだろう。すでに3日で2回も深酒している。とても楽しい。
つまみも揚げ物からお菓子から〆の麺類までフルコースだ。
体重はすでに2キロ増えた。効果が出ていた低糖質な食生活も忘れ去ったようである。非常に良くない状態だ。
金遣いが荒くなる
交遊欲と食欲が出ればもちろんのことだが、財布のお金がどんどん減るようになった。
アマゾンの欲しいものリスト数は登録&購買で拮抗状態である。
ADHDの衝動性がさせるものとは思うが「買っちゃえ買っちゃえ!」に逆らえないのは非常に困る。
まぁ、服用しつつ疲れ切っていた前職では、タクシー代が流れ出ていたのでそれに比べれば有意義なのかも。
しばらくは飲まないでいってみよう
メリットデメリットをあげてみたが、はたして私にとって幸せなのはどちらなのだろうか。
職種や重視する側面にもよるが、私は「飲んだ状態を知っている、飲んでない自分」が幸せなのかと思う。
ストラテラのあのフラットさ、ADHDにはないこらえ性、禁句を口走らない慎重さを経験して、それでもこの鮮やかで、衝動的で混乱した世界に戻ってくる選択をしたということが大事なのだろう。
もちろん近い未来にまた見解は変わっているかもしれない。 それでもしばらくはこのまま行ってみようと思う。
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