去る2月28日、東京国立博物館で開催されている「特別展 旧嵯峨御所 大覚寺」展へ行ってまいりました。

東京国立博物館の本館って、展示場として以上に見ごたえのある近代建築としても素晴らしいですよね。

しかし「大覚寺」展の開催場所はこちらの平成館となっております。

今回の展示は第1章から第4章に分かれておりまして、写真の撮影が可能なのは第4章のみです。が、4エリアあるうちの3エリアが「第4章」なので、意外にたくさん撮れるのがうれしいですね!
嵯峨天皇の離宮から寺院となった大覚寺
もとは嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」であった建物が、876年に寺院となったのが「大覚寺」です。来年(2026年)がお寺になってから1150年になるということで、それを記念して「大覚寺」展開催と相成りました。

・・・ということを、いちおう嵯峨源氏を先祖に持つくせに全く知らず、
「大覚寺って?あ!もとは嵯峨天皇のお住まい?はーそうでしたか!」
と展示室で初めて知っています。こういう人でも美術館とか行っていいんですよ。

さて、第4章の画像を交えながら他の章のお話しもしていくと、第1章のトップバッターは掛軸「嵯峨天皇像」となっています。(撮影不可)
前期には宮内庁所蔵・14世紀の「嵯峨天皇像」が展示されていたそうなのですが、後期は大覚寺所蔵の18世紀のものに差し替えられたようです。
そしてね、毎度裂地の話をして申し訳ないんですけど、後期掛軸の一文字部分(上下の細いところ)には菊紋の裂地が使われてて、おそらく中廻しと柱(一文字の周り)の裂地も菊紋であり、つまりダブル菊紋の掛軸だったのです・・・!
シャ、シャレオツーー!!
そうですよね!お花を添えるならそりゃもちろん菊ですよね!ぜひご覧頂きたいところであります。

さて今回の大きな見どころは、大覚寺に240あるという障子絵・襖絵のうち、前後期合わせて123面が展示されているということ。(後期は102面)
障壁画好きの方なら大歓喜!行けども行けども障子・襖の世界です。

また、大覚寺所蔵の太刀「薄緑(膝丸)」と京都・北野天満宮所蔵の「鬼切丸(髭切)」も兄弟刀として並べて展示してあり、列に並ぶことでじっくりと鑑賞できます。

また、大覚寺では非公開となっている「御冠の間」を原寸再現した展示も見どころ。

背後の黒いところは「帳台構(ちょうだいがまえ)」といい、桐竹文様の蒔絵が施されているのですが、私この「桐竹文様」についてとても大事なことを学びました。
解説文が撮影禁止だったので意訳しますと、
- 皇帝・天皇の象徴とされる鳳凰は桐の木に住み竹の実を食べると言われる
- 鳳凰が描かれているところに桐と竹の文様を合わせるのはそのため
- つまり、たとえ鳳凰が描かれていなくても、桐と竹の文様があれば天皇関係の品だとわかる
今後の日本美術鑑賞においてすごく大事だと思いませんか?またひとつ賢くなってしまいました。
さて、ラストを飾る「展示室F」に足を踏み入れると、

おお、と声が漏れる幻想的な世界が広がっています。部屋全体を美しい襖絵が囲むように配置されており、見上げれば薄明りに照らされた襖絵のデザイン。

こちらで目を引くのは、なんといっても狩野山楽筆の「牡丹図」でしょう。

総長約22mあるというこちらの襖絵。全18面が一挙に公開されるのは、大覚寺外では初の事だそうです。

展示室出口には大覚寺の春夏秋冬が。京都旅行で足を運びたいところがまた増えた、見ごたえのある展示でした。
アクセス
公式サイト

おまけ 上野公園【EVERYONEs CAFE】
「大覚寺」展からの帰り、ちょっと早い晩ごはんに上野公園内【EVERYONEs CAFE】へ。

スターバックスがある広場にて、広場を挟んだスタバのお向かいにあります。

注文したのは「東京産たまごをのせたスマッシュアボカド」とアイスティー。
東京都産のお肉、卵、野菜等にとてもこだわっているお店で、webメニュー表には生産者のお名前・お写真が紹介されています。

とするとこれは東京都府中市・高野養鶏場さんの卵。味が濃くてとろけ具合も最高でとってもおいしかったです!

テラスから見える景色も良いので、ぜひ訪問してみてください。
アクセス
公式サイト
おまけのおまけ 父は我が家のかわいこちゃん

「大覚寺」展へは両親と一緒に行ったのですが、父は展示室を出たあとに大好きな狩野山楽についてずっと語っていました。
狩野山楽のことを語るとき、父はちょっとクレバーに見えます。
つい2時間前はスマホに登録外の番号から着信が鳴ったため、足元を威嚇射撃された人みたいなステップでスマホから離れ、
「知らない番号・・・!調べて!!調べて!!」とおびえていたのにです。
狩野山楽って言葉の響きにはすごい力があるなと思います。