福田美術館の若冲展と、執筆時点でまだ開催されている大阪市立東洋陶磁美術館の「中国陶磁・至宝の競艶」を中心とする、2024年11月末の京都・大阪旅行記です。
去年の旅行記というのが情けないのですが、執筆できるコンディションがあるうちに遅ればせながら記録します。
青空に映える嵐山の紅葉と福田美術館若冲展
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秋の嵐山は青空と紅葉のコントラスト、山々に「囲まれている」故に感じる荘厳さが見事でした。
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京都って、お勉強しないと本当には楽しめない場所が多いのですが、嵐山の美しさはとても根源的なもので、国内外の人を問わず人気のスポットであるのもよく分かります。
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まずは、一度は行ってみたかった福田美術館へ。訪問当時は、
「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」
展が開催されていました(1/19まで)。多様な層の取り込み意欲を感じる尖ったタイトルですね!
最初にお断りしておくと世界初公開の激レアな巻物、いろいろな果物や野菜が並ぶ「果蔬図巻(かそずかん)」の写真はございません。代わりに、
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福田美術館のオープン直前に発見されたという伊藤若冲の最初期の作品「蕪に双鶏図」をお届けします。(当記事の画像はクリックで拡大します)
(当旅行記のメイン「中国陶磁・至宝の競艶」編では1記事に収まらぬ数の画像をご紹介しますので許してください)
……福田美術館はね…平日でもかなり混雑していて、「果蔬図巻(かそずかん)」を間近に見るだけなら割と余裕ですが、良いアングルで写真を撮るのはちょっと頑張らないと無理だと思う。
福田美術館所蔵の作品なので鑑賞の機会は今後もあると思いますが、納得いくアングルの写真を撮りたい方は開館直後の訪問をおすすめします。
個人的には「この時代にこんなトロピカルなフルーツがあったのか!」という学びがありました。
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さて「(人名)展」に来ると、主役以外の美術家が好きになってしまうことってありますよね。
私も、蘆雪展では応挙の方が好きになってしまい、加賀象嵌で知られる人間国宝 中川衛氏展では師匠の高橋介州氏のファンになって帰ってきました。
今回「正直若冲より好み」と目を引いたのは以下の2点です。
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節くれた木とたおやかな花の質感の対比が魅力的な、中国清代の画家 沈南蘋の「花鳥図」
長崎に滞在していた沈南蘋は当時の日本画界に「南蘋派」という新しい流派を生み出し、若冲をはじめ多くの絵師に影響を与えた人物だそうです。
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江戸時代の僧侶であり絵師・書家でもある佚山の「群鶴図」
写真でお伝えするのは本当に難しいのですが、ガラスの向こうからそこだけ発光しているようなオーラが、否応なく人の目を留まらせてしまう絵でした。
また金糸唐草の裂地の色もほんとにシックで、笹の渋い緑と合わせてあって、鶴の白い羽を引き立てているのよね…(隙あらば裂地の話したい)
さて、福田美術館に行ったらぜひやってほしいのがこちら!5周年記念のオリジナル缶バッジガチャガチャです!
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福田美術館珠玉の「福美コレクション」から5作品のモチーフと、伊藤若冲「果蔬図巻」に描かれたモチーフをコラボさせたオリジナル缶バッジ!
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私は、速水御舟「春眠」の猫ちゃんと「果蔬図巻」の…和リンゴかな?がコラボした1点を引き当てました!
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美しい嵐山に後ろ髪を引かれつつ、ちょっとお茶して宿に移動します。
アクセス
公式サイト
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おまけ イノダコーヒー本店でご飯とおやつ
アラフィフとアラ古希2名の旅はいちいち一休みをします。今回はイノダコーヒー本店へ。
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モダンなお席とトラディショナルなお席を選べたので、風情溢れるトラディショナルなお席で。
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カツサンドはトーストされたパンとサクサク衣の香ばしさに、噛むとジュッと肉汁が出るビーフのうま味がプラスされた幸せの味。ベーコンが付いているのも嬉しいです。
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レモンパイは、フワッフワのメレンゲとまったりまろやかで優しい酸味のレモンクリームがたまりません。
お隣の席の紳士ふたりが「僕はこれを食べるよ」「僕はこういうところでは絶対食べないの」「僕はこれを食べるよ」「僕はこういうところでは絶対―」という会話をずっとしてらして、着地点がどこになるのかワクワクしました。
ちなみに私、胃弱なくせにこちらでモリモリ食べすぎた結果、帰宅後10年に1度の大風邪を引きましたがまったく後悔しておりません。風邪をひいても構わないおいしさ!
さて次の記事では、創業300年の旅館で出会ったオシャレ染付の話をしたいと思います。